1964年、ニュージーランド・ウェリントン北部に生まれ、現在はパーマストン・ノースを拠点に活動するシェイン・コットンは、ニュージーランドを代表する著名な近代美術家のひとりです。ニュージーランドのマオリ族とヨーロッパ系のパケハ族にルーツを持ち、伝統的なものから現代的なものまで、双方の先祖に伝来するイメージや図像を幅広く用い、両者を等価なものとして融合した作品で知られています。初期の絵画は明るく温かみのある色調で描かれた抽象的なものでしたが、1990年代に入ると暗い背景と計算されたイメージを配置した具象的なスタイルに移行しました。コットンの作品にはモコモカイ（マオリ属の干し首）や土着の鳥トゥイなどマオリの象徴や文化、そしてヨーロッパのシンボルやアイテムが多く描かれ、それらは先住民族と導入者、植民地化された者と植民地化された者との間の相互作用の中で繰り広げられる緊張感を表現しています。

シドニービエンナーレやプラハビエンナーレへの出品、さらにはニュージーランド功労勲章の授与など輝かしい経歴を持つコットンの作品は、オセアニアやヨーロッパの主要なギャラリーで展示され、国際的にも高く評価されています。