シェン・チーは1965年、中国・安徽省に生まれたパフォーマンス・アーティストです。1988年、北京美術学院を卒業し、翌1989年、天安門事件が勃発。圧制的な文化的雰囲気や政府による前衛的な創作活動の禁止に嫌気がさし、ヨーロッパへと亡命します。その際、絶望のあまり自分の左手の小指を切り落として中国の土を入れた植木鉢に埋め、愛する本国に置いて旅立ちました。

現地ではロンドンのセントマーチンズ美術大学で修士号を取得し、1998年に北京へ戻りましたが、作品はその後も政府の抵抗や検閲を受け続けたため、再びロンドンへと拠点を移して創作活動を続けています。チーの作品は身体とボディランゲージに焦点を当てており、小指を切り落とすという自傷行為のイメージとコンセプトを写真、絵画、彫刻、パフォーマンスアートなどに取り入れて表現しています。その過激な作品の数々は、中国に遍在する古い亡霊のようなものに対する論争や疑問への明確な出発点となり、それを作中で明らかにしようとしています。

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