シプリアン・ガイヤール
CYPRIEN GAILLARD
1980年−
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シプリアン・ガイヤールは1980年、フランス・パリに生まれた現代美術家です。アメリカ・シリコンバレー近くで幼少期を過ごし、たくさんの建築物や廃墟に囲まれた都会でスケートボードに没頭する中それらに興味を抱き、掘り下げて調査したことが芸術家を目指す第一歩となりました。
ローザンヌ州立美術学校に学び、考古学に根ざした複雑な歴史を示す建築物や場所に着想を得たガイヤールの作品は、彫刻、ビデオ、版画、写真の他、屋内外での大規模な作品も多くみられます。文明と自然とを対峙させ、植民地主義や資本主義が周縁にある文化を消費していく様子を批評的に分析。さらには抗いようのない自然や時間の中で都市や建物が崩壊していく様子を、廃墟の美などをテーマに手がけるのがガイヤールの特徴です。
作品の規模ゆえ「野外の芸術家」とも呼ばれることもあるガイヤールは、2010年にマルセル・デュシャン賞を受賞しており、同世代で最も優れた芸術家のひとりとして高く評価されています。