シルド・メイレレスは国際的に高い評価を得ているブラジルのコンセプチュアルアーティストです。
政治的、哲学的、美学的な概念に挑戦する複雑で鑑賞者を完全な感覚体験へと導くオブジェやインスタレーション、彫刻作品を制作しています。彼の芸術活動は1960年代から70年代にかけてのブラジルの独裁政権下における社会的・政治的状況や、ネオ・コンクレティスム（新具体主義）や前衛運動の影響を受けて形成されました。メイレレスの作品は、特定の政治的な出来事や状況に対応して制作されることが多いですが、それらは普遍的なテーマを喚起するものであり、厳密にデザインされ定義された空間を共有することで、鑑賞者の経験を通して伝えられるのです。

「私の作品は常に パブリック（公共）という定義できない幅広い存在との 何らかの交わりを求めています」

メイレレスは1948年にブラジルのリオデジャネイロに生まれました。幼少期の9年間をブラジリアで過ごし、オスカー・ニーマイヤーの建築に囲まれて育ちました。そして1967年にリオデジャネイロに移り、国立芸術学校 (Escola Nacional de Belas Artes)で学びました。近年では2008年にイギリスのテート・モダンで彼の本格的な回顧展が開催され、2010年までにスペインのバルセロナ現代美術館とメキシコの現代美術館に巡回しました。また2013年にスペインの国立ソフィア美術館で開催された回顧展は ポルトガルのセラルヴェス財団、翌年にはイタリアのピレッリ財団が運営する美術館ハンガービコッカで開催されました。
彼の作品はシカゴ美術館、パリのポンピドゥー・センター、ブラジルのイニョチン現代アートセンター、フィンランドのヘルシンキ現代美術館、スペインのバルセロナ現代美術館、ニューヨーク近代美術館、ベルギーのステデライク現代美術館、イギリスのテート・モダン　など世界各地の主要な美術館や施設で展示されており、ロンドンのテート・モダンやニューヨーク近代美術館、ヒューストン美術館など多くの機関にコレクションされています。

シルド・メイレレスは現在ブラジルのリオデジャネイロを拠点に活動しています。