ジェームス・ブラウン
James Brown
1951年−2020年
ジェームス・ブラウンは1951年、アメリカ・ロサンゼルスに生まれた画家です。ハリウッドのイマキュレート・ハートカレッジでBFAを取得し、その後エコール・デ・ボザールに学びました。パリでの学校生活は古典的で退屈なものでしたが、パリに身を置きたいがために在籍。その間ヨーロッパを旅し、イタリアのルネッサンスや特に中世の絵画を見て回ったことが、ブラウンの作品に影響を与えました。
1980年代初頭になるとニューヨークへ移住し、ジャン=ミシェル・バスキアや当時のイーストヴィレッジ・アートムーヴメントの影響を受けつつ、プリミティヴアートや古典的な西洋モダニズムの影響も受けた荒々しい半具象画を描いていました。その後文学作品や音楽作品をモチーフとしたシリーズも多く描いており、1995年にはホルストの管弦楽曲「惑星」を題材にしたシリーズに着手し、80点以上の抽象画を残しています。
寡黙でありながら強烈な魅力を持つブラウンの芸術は、洗練されていながらも荒々しく、また暴力と優しさとの間に位置すると言われています。ブラウンは2020年に交通事故で亡くなってしまいましたが、その作品はMoMAやメトロポリタン美術館、メキシコシティのタマヨ美術館などに収蔵されています。