ジェームス・ボハリーはアメリカの抽象表現主義の画家です。鮮やかな色彩を用いた厚塗りで重層的な絵具、表現力豊かな筆致のジェスチュラルな油彩画で知られています。ニューヨーク州北部の川や丘、プエルトリコの浜辺、カナダのニューファンドランドの緑など、彼は自然の風景にインスピレーションを受けています。そしてこれらの景色の記憶を蒸留し、無意識と意識的な経験を引き出し、強烈なエネルギーに満ちた作品を制作しています。また彼は 先史時代の美術、セザンヌやレンブラントなどにも影響を受けています。

ボハリーは1940年アメリカのブルックリンで、イギリス人の母とインドネシア人の父の間に生まれました。ニューヨークのスクール・オブ・ビジュアル・アーツでグラフィックデザインのクラスをとって学び、1968年にニューヨーク大学を卒業しました。そして1969年にはニューヨーク・スタジオ・スクールに通い、フィリップ・ガストンに絵画を学びました。彼は1983年にNEA（National Endowment for the Arts：全米芸術基金）の助成金を受け、1985年にはアメリカ芸術文学アカデミー会員に選出されました。そして1999年にはポロック・クラズナー財団の助成金を付与されました。

彼は数多くの個展を開催し、作品はコーコラン美術館、フッド美術館、グリーンビル・アートセンター、スナイト美術館、マクネイ美術館、ケンタッキー大学美術館、バルパライソ大学博物館、タイラー・アートセンターなどに収蔵されています。ボハリーはニューヨークのパーソンズ美術学校やニューヨーク・スタジオ・スクール、ビンガムトン大学やダートマス大学で教鞭を執っています。