買いたい・探したい

ARTIST/ART

ジグムント・ジョセフ・メンケス
Sigmund Joseph Menkes
1896年―1986年

ジグムント・ジョセフ・メンケスはポーランド生まれ、1920年代から1930年代にかけてエコール・ド・パリの一員として活躍したことで知られる画家です。1935年初頭からはアメリカで活動し、表現主義的色彩主義の代表的な存在となりました。

メンケスは1896年にポーランドのルヴフで生まれ、1912年に工業学校で芸術の勉強を始め、それと同時に教会の修復師として働きました。1919年から1922年にかけてクラクフの美術アカデミーで学び、1922年にはベルリンで 彫刻家アレクサンダー・アーキペンコのスタジオでさらに学びを深めました。1923年にパリに移住したメンケスはモンパルナスにスタジオを借り、エコール・ド・パリの一員となりました。そこで彼はオイゲニウス・ザクやマルク・シャガールなど、パリのアートシーンを代表する芸術家たちと親交を深めました。こうして1920~30年代メンケスはパリの様々なギャラリーで作品を発表しました。
1930年にアメリカに渡ったメンケスは、1936年に57丁目のサリバン画廊でニューヨークでの初個展を開催しました。またメンケスはアソシエイテッド・アメリカン・アーティスツ・ギャラリーやフレンチ・アート・ギャラリーでも活躍し、アート・スチューデンツ・リーグで長年にわたり講師を務めました。
第二次世界大戦中、メンケスは ナチス占領下にあったポーランドのユダヤ人街に住むユダヤ人を生活やユダヤ教の宗教的慣習や伝統を描いた作品を多く残しています。彼の作品は茶、黄、赤、緑などの飽和色に限られた色調で表現されているのが特徴的です。やがてメンケスは複雑な線や太い線の構成、豊かな質感の平面を描くようになり、後期には幾何学的な形態を強烈で強いコントラストを持つさまざまな色で描くという、急激な変化も見られました。メンケスは油彩だけでなく水彩画やドローインク、彫刻作品なども制作しています。また、しばしば彼の作品の中で大胆な朱色で勢い良く書かれたサインは、構図を構成する重要な要素でもありました。

メンケスは1986年にニューヨークのリバーデールで亡くなりました。現在彼の作品はパリのジュ・ド・ポーム美術館、アメリカのフィラデルフィア美術館、ホイットニー美術館、ウィチタ美術館、ニューアーク美術館、コーコラン美術館、クランブルック・アカデミー、マンハッタンのユダヤ博物館、イスラエルのテルアビブ美術館など 世界中の様々な美術館に収蔵されています。

一覧ページに戻る
お問い合わせ 資料請求