ジム・ショーは1952年、アメリカ・ミシガン州に生まれたアーティストです。70年代からロサンゼルスを拠点に活動をはじめ、「アメリカ現代美術シーンで最もビジョナリー（概念的）なアーティスト」とも言われています。ショーの作品は、アメリカ文化の廃棄物を掘り起こし、ポップアート、抽象表現主義、コンセプチュアルアート、ロック、パフォーマンスなどからインスピレーションを得、日常に潜む個人のレベルからアメリカ固有の土着性を描写しています。作品プロジェクトは繰り返し登場し、多くのものは現在も進行中です。

そのひとつである「My Mirage」は、ショーの架空の分身ビリーの精神的な旅路を描いたもので、郊外での生活を拒否し幻覚剤やロックミュージックの実験を繰り返しながら、生まれ変わったキリスト教徒としての居場所を見つけるまでのビリーの心境を記録した100枚以上のドローイングで構成されています。また1990年代後半には自ら架空の宗教「O-ism」を作り上げ、新時代の宗教活動をテーマに多くの精巧な教義や儀式を常に磨き続けています。これまでに欧米の美術館で大規模な個展を開催したほか、MoMAやグッゲンハイム美術館など世界各地の著名な美術館やプライベートコレクションに多くの作品が収蔵されているショーは、現在もロサンゼルスを拠点に活躍中です。