ジャンフランコ・バルチェッロは 様々なメディアを使った実験的な作品で知られるイタリアのアーティストです。1960年代初頭から絵画やインスタレーション、アッサンブラージュ、映像、写真、音響などを駆使し 従来の美術の枠を超え、文化システムや慣習に疑問を投げかけながら活動を展開してきました。

「私が作るすべての新しい作品は、私の言語がまだ機能しているかどうかを理解し、テストするためのツール、デバイスとして機能します」

バルチェッロは1924年にイタリアのリヴォルノに生まれ 法律を学んだ後、父親の会社経営を手伝いました。美術は独学で学び、初期の作品は日常生活の細部を描いたものでした。彼は1950年代後半に絵画というメディアを再考し、並置法やアッサンブラージュ、ライティングなどを実践し、そのキャリアをスタートさせました。
1960年代初頭にパリに移ったバルチェッロは マルセル・デュシャンと運命的な出会いを果たし、生涯の友となりました。彼はデュシャンの革新的な思考と常に対話しながら、様々なメディアを使った新しい表現形式へのアプローチを続けています。また彼は その時代の主要なトレンドとは無関係に、長いキャリアを通じて 哲学者のジャン＝フランソワ・リオタールや  作家で詩人のアラン・ジュフロワ、小説家のイタロ・カルヴィーノといった主要な文化人たちと知的関係や交友関係を築いてきました。ニューヨークに渡った後にはジョン・ケージと出会い、シドニー・ジャニス・ギャラリーで開催されたグループ展「New Realists（ニュー・リアリスト）」に参加しました。
1970年代初めにはローマ郊外の廃墟となった別荘を相続し、農場を設立して作物を栽培し 牛や羊を飼育しています。バルチェッロは現在イタリアのローマとフランスのパリを行き来し活動しています。

彼の作品はニューヨーク近代美術館、シカゴ現代美術館、パリのポンピドゥー・センターなどにコレクションされています。

▼バルチェッロ財団　公式サイトはこちらから
https://www.fondazionebaruchello.com/