ジャンルー・シーフは1933年、パリに生まれた写真家です。1950年代に写真家としてデビューし、60年代にはニューヨークを拠点にエスクワイヤやハーパーズ・バザーとのコラボを、そして同時にパリへも往復しヴォーグ、エルなど雑誌の写真を手掛けました。80年代に入るとヌードや広告写真、ポートレートなど様々な分野で活躍し才能を発揮しました。少年の頃に興味を抱いたというモノクロ写真に徹し、広角レンズの空間的な歪みを使って巧みに表現した作品は気品に溢れ、厳格な構図による力強い画面で構成された作品は、時代を経ても古臭さを感じさせない魅力をたたえています。

駆け出しの頃にはルポルタージュで力量を発揮していたこともあり、風景や都市の光景でも力強い垂直画面と広角レンズの歪みを用いたシーフらしい傑作を残しています。また、シーフとともに歩んだ名プリンターによる格調高いゼラチンシルバープリントは、彼の作品の魅力を最大限に引き出すものです。

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