ジャン・ティンゲリー
Jean Tinguely
1925年−1991年
ジャン・ティンゲリーは1925年、スイスのフリブールに生まれた彫刻家・画家です。廃物を利用して機械のように、あるいは不器用に動く彫刻を制作することで知られ、キネティック・アートの代表的アーティストのひとりとされています。幼少期に家族で移り住んだバーゼルで美術を学び、同時期にダダイズムの影響を強く受けるとともにジャンク・アートへの関心を高めたティンゲリーは、1950年半ばにパリに拠点を移し、後に妻となるニキ・ド・サンファルやイヴ・クラインらと交流を深めます。1960年にはヌーヴォー・レアリスムの結成に関わり、MoMAで開催された大規模展覧会に代表作のひとつである自壊する作品「ニューヨークへのオマージュ」を出品します。
サンファルとは遊び心のある大規模な共同制作を行い、ポンピドゥ・センターに隣接するストラヴィンスキー広場にある「自動人形の噴水」やバーゼル市内にある「噴水の芸城」など、各地にパブリックアートを設置しました。1984年には当時の高輪美術館の依頼を受けて来日し、「地獄の首都No.1」を制作しています。現在ティンゲリーの作品はワシントンD.C.のナショナル・ギャラリー、スイスのバーゼル美術館に収蔵されているほか、1996年にはバーゼルに「ティンゲリー美術館」が開館し、動く作品群が展示されています。
▼公式サイトはこちらから(ティンゲリー美術館のサイト)
https://www.tinguely.ch/en.html