ジャン・フォートリエ
Jean Fautrier
1898年-1964年
ジャン・フォートリエはフランスの画家であり彫刻家です。アンフォルメルへの関わりやタシスムの画家として知られています。フォートリエの作品は 陰鬱でありながらも自然主義的な人物画から ほぼ完全に抽象的な形と表現に発展していきました。
1898年フランス、パリで生まれたフォートリエは幼い頃は祖母に育てられ、祖母が亡くなった後 未婚の母と共にロンドンに移住しました。ロイヤル・アカデミー・オブ・アーツとスレード美術学校に通いましたがどちらの学校もアカデミックで息苦しく 彼は失望を経験しました。フォートリエは第一次世界大戦中、健康状態が悪く軍隊から解雇され、フランスに戻り アンドレ・マルローの本の挿絵を描くなど様々な仕事をしながらあちこちを転々としました。第二次世界大戦中には ナチスがフランス市民に与えた拷問や残虐行為を目撃し、ゲシュタポにより拘束されたこともあり この経験は彼の作品の本質に大きな影響を与えました。
フォートリエは1964年フランス、シャトネ=マラブリーで亡くなりました。同年パリ市立近代美術館で回顧展が開催されました。2005年にはスイスのマルティーニでピエール・ジアナダ財団が主催した回顧展が開催されました。
彼の作品は シカゴ美術館、ニューヨーク近代美術館、ワシントン・ナショナル・ギャラリー、ロンドンのテート・ギャラリー、パリのオルセー美術館などのコレクションに収蔵されています