ジャン・プルーヴェはフランス、パリ生まれの20世紀を代表する建築家兼デザイナーです。
アールヌーヴォーの拠点であったナンシーで、ナンシー派の芸術家であった父ヴィクトール・プルーヴェ（Victor Prouvé）とピアニストの母のもとに生まれて育ちました。1916年に金属工芸家エミール・ロベール（Émile Robert）に弟子入り、1923年に独立し鉄製のランプやシャンデリア、階段の手すりなどの設計／製作を手掛けました。

1930年ル・コルビュジエ、ピエール・ジャンヌレ、シャルロット・ペリアン、ロベール・マレ＝ステヴァンス、フェルナン・レジェらと共に『ロジック、バランス、純粋性』をマニフェストとして掲げ従来のアールデコに反し過剰な装飾を排したモダニズムの啓蒙運動を行った「U.A.M. (Union des Artistes Modernes) 現代芸術家連盟」の創立メンバーとなりました。戦時中には積極的にレジスタンス運動に関わり、1944年にはナンシー市長に選出され、その後も公的な役職を歴任しました。1957年にはジャン・プルーヴェ建設を設立。1971年にはパリのポンピドゥー・センターの国際設計コンペにおいて審査委員長を務めました。

先進的技術を組み合わせた合理的で無駄のない構造の多くの作品を生み出し、現代の建築家にも仰がれています。オリジナルヴィンテージ家具はオークションでは数千万の値が付くものも珍しくありません。日本でもNIGOや前澤友作、海外ではブラッド・ピット、マーク・ジェイコブスなどがコレクションしていることでも有名であり、プルーヴェ作品は世界中の数多くのコレクターを惹きつけてやみません。