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ARTIST/ART

ジャン=ミシェル・フランク
Jean-Michel Frank
1895年―1941年

ジャン=ミシェル・フランクは1930年代最も影響力のあったフランスのインテリアデザイナーの一人です。脚と天板の厚さが等しいモダニズムの「パーソンズ・テーブル」や、映画『ゴッドファーザーⅡ』でアル・パチーノ扮するマイケル・コルレオーネが座っていたソファのシリーズ・デザインなどで知られています。彼の手掛けた洗練されたラグジュアリーなデザインは、トム・フォードやリード・クラッコフなど 多くのデザイナー達にも愛用され、尊敬を集めています。

フランクは1895年にパリの裕福な家庭に生まれ、リセ・ジャンソン・ド・サイイで学びました。幼少期は2人の兄が第一次世界大戦で戦死し、1915年には父親が自殺するなど悲劇に見舞われました。その後母親と二人きりになったフランクは、一時は実業家として働きましたが、やがて知的・芸術的世界に興味を抱くようになりました。
1918年には小説家ピエール・ドリュ=ラ=ロシェルやルイ・アラゴンらと親交を深め、彼らの個人的なデコレーターとして働き始めます。フランクの洗練されたミニマルなスタイルは モダニズムにオープンな有力者たちの注目を集め、次々と依頼が舞い込みました。そして1926年にシャルル&マリー=ロール・ド・ノアイユ夫妻のビショッフスハイム・ホテルの喫煙室の内装を手掛け、“tout-Paris”(ファッショナブルで裕福な街のエリートを指す仏語)の有名人となり、以来、装飾のプロフェッショナルとして名を馳せました。
1932年には かつての教え子である家具職人のアドルフ・シャノーと共に、家具ブランドFrank & Chanauxを立ち上げました。シャノーの協力を得ながら、石膏や陶器、マイカ(雲母)やテラコッタ、シャグリーンや藁、羊皮紙など 当時は家具製作に用いられていなかった素材を導入し、慣習や伝統にとらわれない家具や照明を制作しました。また 彫刻家のアルベルト・ジャコメッティやデザイナーのポール・ロドカナチ、クリスチャン・ベラール、ジャン・ユーゴー、建築家のエミリオ・テリーなど才能ある芸術家たちとのコラボレーションにより、国際的な一流の顧客を獲得し、そのスタイルに影響を及ぼしました。彼らの顧客には アルゼンチンのホルヘ・ボーンやアメリカのネルソン・ロックフェラーなどの大富豪も含まれていました。
しかしその後、再び戦争が彼の運命を左右することになりました。1939年Frank & Chanaux社は閉鎖され、フランクはフランスからアルゼンチンへ逃亡しました。その後商売を再開するも、数か月後にニューヨークに移り、完全に絶望した彼は 自らの命を絶ち、その輝かしいキャリアに終止符を打ちました。

2010年ニューヨークのギャラリーBACで、彼のアルゼンチンでの作品に焦点を当てた死後の回顧展が開催されました。

▼ジャン=ミシェル・フランク委員会公式サイトはこちらから
https://www.comite-jean-michel-frank.com/index.html?lang=en

 

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