1944年、ニューヨークに生まれたジョエル・スタンフェルドは、アメリカの大判のドキュメンタリー写真で知られる現代美術家で、カラー写真が芸術媒体としての地位を確立するのに貢献した人物として知られています。ダートマス大学でビジュアルアートの学士号を取得し、ヨハネス・イッテンとヨゼフ・アルバースの色彩理論を学んだ後、1970年にカラー写真の制作を始めます。その後グッゲンハイム奨学金によるサポートを受け、1978年からフォルクスワーゲンのキャンピングカーに乗って約8年間全米を巡り、大型ビューカメラとカラーフィルムでアメリカ全土の人々や風景を記録することで、アメリカの集合的なアイデンティティの可能性を一貫して探求してきました。

初期には中小型のカメラを使っていましたが、代表作となる1987年の写真集「アメリカン・プロスペクツ」を制作する頃には、8×10インチのカメラを使用することにより、これぞスタンフェルドのスタイルという鮮明なディテールを実現することができるようになりました。洞察力に富み、視覚的な並置で時に皮肉のこもった作品は、決して恣意的にではなく、非常に洗練された方法で色が機能しているのが特徴です。その写真集の中で最も有名なイメージのひとつは、「ヴァージニア州 マクリーン 1978」です。燃える家の手前のマーケットの店先でかぼちゃを物色する消防士の姿を捉えた作品は、かぼちゃの鮮やかなオレンジ色が田園地帯の秋の色とマッチし、また皮肉にも炎の色ともマッチしています。スタンフェルドの作品はMoMA、シカゴ美術館、スイスのヴィンタートゥール写真美術館などに収蔵されています。

 

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https://www.joelsternfeld.net/