ジョナサン・ホロヴィッツはアメリカの現代アーティストです。写真やビデオ、彫刻やサウンド・インスタレーションなど 様々な表現方法を用いて、政治やセレブリティ、メディアの戦争イメージや消費主義、文化的ジェンダーなど 多様な文化的構築物を批判的に考察しています。ホロヴィッツはファウンド・フッテージ(既存の映像素材を引用する映像技法)から、映画やテレビ、メディアの要素を 視覚的・空間的に並列させ、これらの重なり合うコミュニケーション方法の間の繋がりと破綻を明らかにしています。
ホロヴィッツは1966年ニューヨークに生まれ、ウェスリアン大学で哲学を学び1987年に学士号を取得しました。1998年ニューヨークで初個展を開催し、その後世界中で作品を展示しています。
彼が2005年に油彩とグリッターで描いた『Three Rainbow American Flags for Jasper in the Style of the Artist’s Boyfriend』は、ジャスパー・ジョーンズの代表作『Three Flags』を参照し、“LGBTQIA+”の旗の色に侵されたアメリカ国旗として再現することで、セクシャリティとクィアネスを批判的に考察しています。この虹色の色彩はクィアを表すものとして用いられ、いまだに「その他」の表記を必要とするような現代社会の価値観に 根本的な疑問を投げかけています。
2020年には、ニューヨークのユダヤ博物館で開催された展覧会「We Fight to Build a Free World」をキュレーションしました。ホロヴィッツ自身の作品を含む70人以上のアーティストの作品を集めたこの展覧会では、権威主義や外国人排斥、人種差別、反ユダヤ主義、その他の偏見の台頭に、アーティストたちが歴史的にどう対応してきたかを見てゆき、また移民、同化、文化的アイデンティティをめぐる問題などに取り組みました。
現在彼の作品は、ニューヨークのニュー・ミュージアム・オブ・コンテンポラリー・アート、ニューヨーク近代美術館、サンディエゴ現代美術館、メトロポリタン美術館、ユダヤ博物館、フランス・パリのポンピドゥー・センター、フランス国立視覚芸術センター、アヴィニョンのランベール・コレクション、ドイツ・ベルリンのハンブルガー・バーンホフ現代美術館、フランクフルト近代美術館、ルクセンブルクのMudam現代美術館、ケルンのルートヴィヒ美術館、スイス・チューリッヒのミグロス現代美術館などに収蔵されています。
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http://jonathanhorowitz.us/