イギリスのモダニズムデザイナーであり画家であるジョン・タナードは、1900年、イギリス・ベッドフォードシャーに生まれました。ロイヤル・カレッジ・オブ・アートでデザインを学び、卒業後はテキスタイルデザイナーとして企業勤務を経て、1929年に画家としてのキャリアをスタートさせました。1931年に初のグループ展を、1933年に初の個展を開催しますが、当時の作品の多くは自身と妻が暮らしていたコーンウォールの風景を描いたものでした。またこの頃から以前抱いていた自然科学への興味が蘇り、標本を収集したり、自然の細部を観察したりして、そのイメージを作品に反映させるようになりました。

正式にシュルレアリスム運動に参加することはありませんでしたが、この頃、マックス・エルンストやミロ、マグリットなどの作品が展示された「シュルレアリスム」をはじめ、いくつかのグループ展に参加しています。第二次世界大戦を経て、1940年代以降は教壇に立ちながら制作活動を続け、ニューヨークやパリで個展を開催したり、英国フェスティバルのために壁画のデザインを手掛けたりし、1967年にはロイヤル・アカデミーのアソシエイトに選出されました。