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ARTIST/ART

ジョージ・ネルソン
George Nelson
1908年―1986年

ジョージ・ネルソンはミッドセンチュリーモダンのデザインと建築のシーンで活躍したアメリカの建築家でありデザイナー、編集者です。シンプルな幾何学的フォルムと人間工学に基づいた機能を融合させた奇抜なインダストリアルデザインを展開し、時計やベンチ、ランプやテーブルなど、工業製品から家庭用品に至るまで多くの作品を発表しました。

「どんなデザインも単独では存在し得ない
    デザインは常に、時には非常に複雑な形で、影響する状況や考え方の全体像と関連しているのです」

「私たちが良いデザインと呼ぶのは、環境とのバランスのとれた関係の中で、統合性、
    すなわち統一性や完成性を全うしたものなのです」

ネルソンは1908年コネチカット州ハートフォードで生まれ、1924年にイェール大学に入学しました。何を学ぶかはっきりしないまま入学したネルソンですが、ある日 突然の嵐から逃れるために大学に避難したところ、建築学部に行き当たりました。その時そこで「A Cemetery Gateway」というテンペラ画と水彩画による学生のプレゼンが行われており、彼はその作品の見て驚き感銘を受け、建築家になることを決意したのです。
その時のことをネルソンは「人生で見たものの中で、最も美しく、刺激的なものでした。そして、墓地の門の設計という仕事に一瞬にして魅了されたのです。その時、何の疑問も抱くことなく、私は建築家にならなければならないと決心したのです」と語っています。

ネルソンは1932年にローマ建築賞を受賞し、その後ヨーロッパ各地を訪れ、 ル・コルビュジエやミース・ファン・デル・ローエ、ヴァルター・グロピウス、ジオ・ポンティといった当時の一流デザイナーや建築家にインタビューし、建築について執筆しました。アメリカで出版されたこれらのインタビューは、ヨーロッパの建築、バウハウス革命と その中心人物たちに対する彼独特の賞賛と皮肉に満ちた視点を示しています。アメリカに戻ったネルソンは、主に『アーキテクチュラル・フォーラム』などの建築雑誌でジャーナリストとして活躍しました。そして1945年にはフォーラムの仲間であるヘンリー・ライトとともに『Tomorrow’s house(明日の家)』を執筆し、この本の中に見られるストレージ・ウォール(Storagewall)という革新的なアイディアは、デザイン界に激震を与え、『Tomorrow’s house』はベストセラーとなったのです。

その後ネルソンは数十年にわたり、ヴィトラ社やハーマンミラー社とのコラボレーションや、全米各地での建築作品の制作を行い1986年にニューヨークで亡くなりました。

現在彼の個人的なアーカイブは、ドイツ・ヴァイル・アム・ラインのヴィトラ・デザイン・ミュージアムに保管されています。また彼の作品はシカゴ美術館、ロサンゼルス郡美術館、ニューヨーク近代美術館などにコレクションされています。

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