買いたい・探したい

ARTIST/ART

セルジオ・カマルゴ
Sergio Camargo
1930年―1990年

セルジオ・カマルゴは20世紀を代表するブラジル人彫刻家です。構成主義やミニマリズム、初期キュビスムのアプローチと美学を統合したモノトーンで幾何学的な彫刻で知られています。木や大理石など 素材の質感が際立つ作品が多いですが、表面は滑らかで意図的に仕上げられ、ボリュームとラインを駆使して 空間、物体性や生産性を探求しています。

1930年にブラジルのリオデジャネイロに生まれたカマルゴは、ブエノスアイレスのアカデミー・アルタミラで前衛画家のエミリオ・ペトルーティや、空間主義の創始者ルチオ・フォンタナに師事しました。1948年にヨーロッパに渡り、パリのソルボンヌ大学で 哲学者ガストン・バシュラールの下で哲学を、グランド・ショミエール芸術学校で美術を、1961年に再びパリを訪れた際には高等師範学校で社会学を学ぶなど、分野や制度を超えた教育を受けました。この頃にカマルゴは コンスタンティン・ブランクーシの作品に憧れ、彼のアトリエを頻繁に訪れるようになりました。またジャン・アルプ(ハンス・アルプ)やジョルジュ・ヴァントンゲルロー、アンリ・ローランスの作品にも触れインスピレーションを受けました。
カマルゴは キネティック・アートの実験を行う視覚芸術研究グループ「Group de Recherche d’Art Visual」に参加し、静的な幾何学的形態が一体となって噴き出すような、運動性を感じさせる彫刻作品「レリーフ」シリーズを開始しました。そして1963年パリ・ビエンナーレで国際彫刻賞を受賞し、その後ブラジルに戻り、ブラジル構成主義の美学を取り入れ、国内外での成功を収めました。1965年には オスカー・ニーマイヤーの手掛けた外務省の壁面彫刻を依頼され、1965年のサンパウロ・ビエンナーレで金賞を受賞し、1966年にはヴェネツィア・ビエンナーレ、1968年にはカッセルのドクメンタに参加しました。

カマルゴはリオデジャネイロ、ブエノスアイレス、パリ、マッサ(イタリア)を行き来しながら活動し、1990年リオデジャネイロで亡くなりました。彼の死後、世界各地の美術館で巡回展が開催されました。彼の作品は テート・ギャラリーやポンピドゥーセンター、ニューヨーク近代美術館などにコレクションされています。

一覧ページに戻る
お問い合わせ 資料請求