タラ・ドノヴァンは サイトスペシフィックなインスタレーションで知られるアメリカのアーティストです。スコッチテープや爪楊枝、ストローやプラスチックカップなど様々な日用品を利用して、蓄積と集合の変容効果を探求しています。
「自然を 模倣しているのではなく
むしろ、自然のあり方、ものが実際に成長する方法を 模倣しているのです」
ドノヴァンは1969年ニューヨーク州クイーンズに生まれ、ワシントンD.C.のコーコラン芸術デザイン大学で美術学士号を、バージニア・コモンウェルス大学で修士号を取得しました。その後、コーコラン美術館のヘミシクル・ギャラリーで初の大規模な美術館での個展を開催し、その一年後にはホイットニー・ビエンナーレに参加しました。そして2000年代初めに、ニューヨークとロサンゼルスのエース・ギャラリーで開催された初の大規模なギャラリー展で サイト・レスポンシブなインスタレーションシリーズを発表し、それが彼女の活動の代表的なものとなったのです。
彼女の作品は ロバート・アーウィンやジェームズ・タレルなどの「光と空間」のアーティストの雰囲気を持ちながら、手間のかかる現場対応の方法論へのこだわりは、エヴァ・ヘスやジャクリーン・ウィンザー、リチャード・セラ、ロバート・モリスなどの ポストミニマリストやプロセス・アーティストらと結びついています。ドノヴァンの作品は その人工的な素材にもかかわらず、霧や岩石、菌類の花や石筍など しばしば生物的な性質を帯び、自然現象を想起させます。近年展開しているドローイング、絵画、レリーフ彫刻の間に位置するような抽象作品においても、厳格なプロセスを継続しながら、身体、空間、時間との関係において彫刻の可能性を広げています。
ドノヴァンはブルックリンを拠点に活動し、世界各地で個展やグループ展を開催し 新しいプロジェクトを発表しています。