チャック・クローズは1940年にアメリカ・ワシントン州に生まれた画家・写真家です。幼い頃から絵を描き始め、ワシントン大学やイェール大学で美術を学びます。フォトリアリストの画家として、巨大なキャンバスにポートレートを描くスタイルを基本とするクローズは、自身が人の顔を認識できない相貌失認に悩まされており、親しい人や家族の写真を撮って描き出すことで、顔の認識や記憶に役立てるという必要に迫られた側面もあるのです。

研究熱心で、写真を碁盤の目状に区切りモザイク画のようにキャンバスに転写する手法、フィンガーペインティングなど様々な技法を模索する中、特にエアブラシの技法は、後のインクジェットプリンタの開発のヒントとなったことが知られています。1988年に病気で体が麻痺し、車椅子の生活を余儀なくされますが、翌年には活動を再開します。特殊な器具で筆を腕に結びつけ、現在もニューヨークを拠点に描き続けています。

 

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