チャールズ・ルッツは1982年、アメリカ・フィラデルフィア州に生まれたコンセプチュアル・アーティストです。プラット・インスティテュートで絵画と美術史を学び、コロンビア大学で人体解剖学を学んだルッツは、絵画、彫刻、インスタレーション作品においてオリジナル作品と複製の概念、そしてアメリカ文化における価値の構築方法を探求しています。2006年に構想した「Warhol Denied (否認されたウォーホル)」シリーズは、ウォーホルの1964年の作品「セルフ・ポートレート」の12のバージョンのレプリカをウォーホル美術承認委員会に送り、真正証明を求めたものです。結果「否認」のスタンプが押されてそれらが返送されたことで、その作品の価値が否定されると同時に構築され、新たな金銭的価値が与えられるというシステムが出来上がったのです。ルッツは否認されたウォーホル作品の複製に自身の署名を施して展示し、ときに販売することで、ほぼすべての人々が「本物のウォーホル作品」を所有することができることを実現しました。
その続編とされるのが「ルッツのバベル」です。2013年にニューヨークで開催されたアーモリー・ショーで、200個ものブリロ・ボックス(アンディ・ウォーホル作品のレプリカ)をタワー状に展示し、来場者に持ち帰ってもらうというものです。これによりルッツはブリロの箱を大衆に普及させ、アートと商業の間に新たな対話を生み出そうと考えたのです。近年はキャンバス作品を中心に制作を続け、ニューヨーク・ブルックリンを拠点に活動しています。
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http://www.charleslutz.com/
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