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ARTIST/ART

テオドロス・スタモス
Theodoros Stamos
1922年−1997年

テオドロス・スタモスは1922年、ニューヨークに生まれたギリシャ系アメリカ人の画家です。ジャクソン・ポロックやウィレム・デ・クーニングらの所属した、初期の抽象表現主義グループである「イラシブル」のメンバーのひとりであり、1940年代から50年代にかけてニューヨークで活動していた抽象画家の中で、最も若く独創的な芸術家でした。

1936年、13歳の時にアメリカン・アーティスト・スクールに入学し、彫刻を学ぶもののすぐに絵画に転向。定期的に街のギャラリーを訪れてはミルトン・エイブリーやアーサー・ダヴらの作品を鑑賞するなどし、独学で技術を身につけていきました。その才能は程なくしてベティ・パーソンズら重要な人物に認識されることとなり、1943年には彼女のギャラリーで、また1945年にはホイットニー美術館で作品が展示されました。初期作品の多くは、何度も足を運んだ自然史博物館から着想を得、バイオモルフィック(生物形態的)なフォルムで構成された抽象画を特徴としています。1950年代に入ると抽象化への新しいアプローチの模索をはじめます。東アジアの美学や哲学に触発されて制作した絵画茶室シリーズは、限られたパレットで描かれた柔らかな幾何学的な形態を特徴とし、その多くは暗いカリグラフィーのような筆致で上塗りされています。その後はより還元的で単純化された構図の作品へと変化し、色の広がりに深みを出すために薄い顔料の層を使用する方法を探求していきました。

晩年はマーク・ロスコの遺産をめぐるスキャンダルロスコ事件に巻き込まれて画廊との取引や作品の販売が停止され、その価値が急激に低下するという悲劇に見舞われましたが、スタモスの絵画は生涯を通じて賞賛されており、現在ではシカゴ美術館をはじめ多くの主要美術館のコレクションの一部となっています。

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