テレンス・ドノヴァンは1936年、イースト・ロンドンの労働者階級の家庭に生まれた写真家です。少年時代に写真と写真加工に魅せられたドノヴァンは、わずか11歳の時にロンドンの写真製版学校でプロとして働きはじめます。15歳で写真家のアシスタントとなり、22歳で自身初の写真スタジオを開くと、スタジオには次々と仕事が舞い込み、瞬く間に成功を修めます。ドノヴァンの多才さは大手広告代理店やヴォーグ、ハーパーズ・バザーなどのファッション雑誌、ライフスタイル雑誌など様々なクライアントを魅了しました。

「スウィンギング・ロンドン」と称され、ファッション、映画、音楽、建築など数々のムーブメントが生まれた1960年代の華やかな時代のロンドンで、ドノヴァン、デヴィッド・ベイリー、ブライアン・ダッフィーの3人組の写真家は「ブラック・トリニティ」と呼ばれ、エレガントさだけを追求する従来のイギリスのファッション写真業界にセクシーな表現を取り込み、雑誌や新聞写真の世界に革命を起こしました。1970年代に入るとドノヴァンは映画制作にも手を広げ、80年代にはテレビコマーシャルや広告キャンペーンの制作にも注力するなど、活動を多様化させていきましたが、写真に対する情熱は40年のキャリアを通じて一貫していました。

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http://www.terencedonovan.co.uk/