トーマス・デマンド
Thomas Demand
1964年−
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トーマス・デマンドは1964年、ドイツ・ミュンヘンに生まれたアーティストです。学生時代はインテリアデザインと彫刻を学び、彫刻家としてキャリアをスタートさせましたが、1993年に写真家へと転向。現在はハンブルグの美術大学で教鞭をとりつつ、ベルリンとロサンゼルスを拠点に活動しています。
オフィスやバスルーム、コーヒーショップなど、ごくごく日常的な光景を写した作品を多く発表していますが、実はそこに収められているのは実際の光景ではなく、メディアから引用した事件の記録写真や映像をもとに、自ら紙で忠実に再現した原寸大の模型を撮影したものなのです。しかもその作品のほとんどが、観るものを圧倒するような大画面。無機質で空虚さをも感じさせる紙の世界で、イメージが氾濫する現代社会に現実とは何か?と問いかけているかのようです。また、撮影終了後に制作した模型を必ず破壊することが、デマンドの活動にさらなる神秘性をもたらしているようです。
これまでにヴェネツィア・ビエンナーレ、サンパウロ・ビエンナーレへの参加、世界各地の主要美術館での個展やグループ展を数多く重ねてきたデマンドの作品は、MoMA、テート・ギャラリーなどに収蔵されています。
▼公式サイトはこちらから
https://www.thomasdemand.net