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ハロシは1978年東京生まれのアーティストです。2003年より独学で習得した技術を駆使し、スケートボードの廃材を使用した彫刻やインスタレーション作品を制作しています。
ハロシの立体作品の中で最も重要なスタイルは 木製のモザイク、つまり寄せ木の手法です。薄いスケートボードのデッキから彫刻を作るには何層にも重ねる必要があります。しかしスケートボードのデッキは既に加工されたものであり、切り出したばかりの木のように平らではありません。しかも一見どれも同じ形をしているように見えるスケートボードは、実は工場やブランド、人気スケーターのシグネチャーモデルなどによりそれぞれ構造が異なるのです。経験と豊富な知識を持つハロシは、何千もある中古のデッキストックの中から どのデッキを重ねた時にどのデッキが合うのかを見分けることが出来きるのです。選ばれたデッキは重ねられた後、彼の愛用の道具でカットされ削られ、磨かれてゆきます。
偶然にも 彼のこの創造的なスタイルは日本の伝統的な木彫仏の造り方に似ています。日本の仏像のほとんどは木彫りであり、材料費を節約し 像の重さを最小限にするため寄木造という方法が用いられています。これはスケートボードをリサイクルするハロシのスタイルに通じるものがあります。また外側からは見えませんが、立体像の中には ある金属製の物体が埋め込まれています。その物体は 彼のコレクションしていたスケートボードから劣化し外れてしまったり、破損してしまったスケートボードのパーツの中から選ばれたものです。ハロシにとって このような金属パーツを作品の中に埋め込むことは、彫像に魂を与えることを意味します。
鎌倉時代に活躍した日本の仏師 運慶は仏像の魂として その心臓部に水晶玉の『心月輪(しんがちりん)』を収めました。ハロシが彼の創造において同じようなプロセスを経るということは、日本人としての彼の精神と美学の自然な顕れなのかもしれません。
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http://haroshi.com/