ハンス・コパー
Hans Coper
1920年−1981年
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ハンス・コパーは、1920年ドイツに生まれた陶芸家です。ユダヤ人である事から第二次世界大戦の戦禍を逃れるために祖国を離れてイギリスへ渡り、そこで陶芸の師であり生涯の盟友であるルーシー・リーと運命の出会いを果たします。作風や方向性の違いはあるものの二人は切磋琢磨しながら互いの作風を洗練させていき、20世紀を代表する陶芸家と称されるようになります。
ろくろで薄くひいたパーツを組み合わせて形を作り出すという手法で作り出された作品の数々は、非常に繊細でありながらプリミティブな力強さも感じさせるにとどまらず独特なバランス感覚も持っており、今なお多くの人々を魅了し続けています。「自分の生の痕跡を遺さないで欲しい」というコパーの遺言から、その制作する姿を捉えた写真や自著などは一切残っておらず、作品そのものこそが彼と触れ合うことができる唯一の手段となっています。