ハーヴィン・アンダーソン
Hurvin Anderson
1965年−
ハーヴィン・アンダーソンは1965年、ジャマイカ系移民の両親のもと、イギリス・バーミンガムに生まれた画家です。ウィンブルドン・スクール・オブ・アートで絵画の優等学位を取得し、その後ピーター・ドイグが教授を務めるロイヤル・カレッジ・オブ・アートで絵画の修士号を取得。ドイグから大いに影響を受けました。
アンダーソンの作品は、ジャマイカ系イギリス人である自身と、ジャマイカからの移民である両親の世代の記憶と経験を重ね合わせつつジャマイカの伝統を活かし、文化的な要素をふんだんに盛り込んでカリブ海の青々とした風景を描き出すことで知られています。また、イギリスとカリブでの二重生活を通して、イギリス国内ではジャマイカ移民として、また反対にジャマイカ本土では旧宗主国の人間として、二重の疎外の中に立たされる自身の経験も表現しています。
絵画というメディアに特化し、記憶ではなく写真を素材に描かれることが多く、それが作品に織り込まれている距離感を確固たるものにしています。各地で個展やグループ展を重ね、2017年にはターナー賞にノミネートされるなど、世界的にも注目されるその作品は、MoMAやテート美術館をはじめ、各所に所蔵されています。