バリー・ル・バ
BARRY LE VA
1941年−
バリー・ル・バは1941年にアメリカ・カリフォルニアのロングビーチに生まれた彫刻家・インスタレーションアーティストです。芸術家の頂点に立つアーティストの一人として数えられ、ブルース・ナウマンやリチャード・セラらと並んで、1960年代から70年代にかけてロングビーチで生まれたポストミニマリズムの先駆者であり、型にはまらない素材と還元的なフォルムを用いて新しい主題、形式、制作方法を取り入れて彫刻を再定義したことで知られています。
UCLAとオーティス美術研究所で学び、1970年からニューヨークに拠点を移して制作活動を始めたル・バは、初期には綿密な作品を、1970年代半ばには環境問題に関心を寄せた作品を、1990年代からは物質的な複雑さを増強した作品やインクやグラファイトで描かれたより親密なドローイング作品を制作し、世界各国で展覧会を開催しています。抽象彫刻、インスタレーション、エディション作品、ドローイングと多岐にわたる作品は、どれも多層的でダイナミック。中には何本もの肉切り包丁を壁や床に突き刺した作品もあり、これは観る者をゾッとさせ暗示的に暴力をほのめかす物でもありますが、実はそれにはダンスの振り付けのように驚くほどの明快さと数字的な精度で作られているのが面白いところです。