ビリー・アル・ベングストンは1934年、アメリカ・カンザス州に生まれ、現在はカリフォルニア州とハワイを拠点に活動する現代美術家です。1950年代後半のカリフォルニアで「カスタムカー」や、作品にオートバイ文化の美学を過激に取り入れたことで知られています。マンダラ、シェブロン、アヤメの花などから派生したイメージを特徴としたカラフルでサイケデリックな作品は、主にカスタムカーを作る際に使うアルミ板やスプレーペイントを用いて制作され、絵画のほか彫刻も手掛けています。

カリフォルニア芸術工芸大学でリチャード・ディーベンコーンと長谷川三郎に師事し、ロサンゼルスに移り住んでからはフェラス・ギャラリーでの展示を開始しました。またロバート・アーウィンやエド・ルシェらカリフォルニアの名だたるアーティストとともに、「苦悩する個人」というアーティストの固定観念を拒絶するグループの一員としての地位を確立していきました。現在ベングストンの作品はシカゴ美術館、Moma、パリのポンピドゥーセンターなど、全国の著名美術館に所蔵されています。