ピエロ・ドラツィオ
Piero Dorazio
1927年-2005年
ピエロ・ドラツィオは イタリアに抽象画をもたらした極めて重要な画家です。彼の油彩画は しばしば強烈な色の帯で構成され、キャンバスの表面に網のように張り巡らされ 混ざり合っています。
『私たちの社会における進歩的な要素は、革命的で前衛的な立場を維持する必要があります』
芸術の創造について、かつて彼はこのように語りました。
ドラツィオは1927年イタリア、ローマに生まれました。ローマ大学で絵画やデッサン、建築を学び、1940年代後半には ジーノ・セヴェリーニやレナート・グットゥーソらと共に様々な芸術界や文学界で活躍するようになりました。その後 彼はイタリア初の抽象芸術家グループ『Forma 1』の創設者の一人となりました。1953年にはニューヨークに渡り、マーク・ロスコやロバート・マザーウェル、フランツ・クラインらと出会いました。また同年、ニューヨークのウィッテンボーン・ワンウォール・ギャラリーで初個展を開催しました。その後、ドラツィオはペンシルベニア大学で教鞭を執り、フィラデルフィア現代美術研究所の設立に力を注ぎました。
2005年、ドラツィオはイタリアのペルージャにて亡くなりました。
現在彼の作品は シカゴ美術館、ニューヨーク近代美術館、ロンドンのテートギャラリー、ワシントン・ナショナル・ギャラリーなどに所蔵されています。