フェルナン・レジェ
Fernand Léger
1881年−1955年
フェルナン・レジェは1881年、フランス・ノルマンディ地方に生まれた画家で、キュビスムに連なる作家のひとりとして知られています。建築の仕事の傍ら美術学校で絵画を学び、当時は印象派風の風景画を描いていました。そんな中、1907年にパリのサロン・ドートンヌで開催されたセザンヌの回顧展に大きな影響を受け、当時の前衛美術運動であったキュビスムに参加します。「自然を円錐、円筒、球として捉える」というセザンヌの言葉がレジェの画風にも影響し、初期の作品では円錐形や円筒形に抽象化された人物を多く描いています。
第一次世界大戦に従軍中、大砲などの兵器の機能的な美しさとチャップリンの映画に影響され、人物と機械をモチーフにした作品を描くようになります。戦後は徐々にポピュラーな作風に切り替え、現代的な主題を単純化した大胆な作品で独自の様式を確立し、ポップ・アートの先駆者として評価されています。