ポール=デジレ・トゥルイユベール
Paul Désiré Trouillebert
1829年-1900年
ポール=デジレ・トゥルイユベールは19世紀半ばから20世紀初頭にかけて活躍し、主に美しい風景画で知られるフランスの画家です。彼の作品は ジャン=バティスト・カミーユ・コローの作品に似ており、生涯を通じてコローの作品と間違われることが多くありました。彼はバルビゾン派のような風景画だけでなく 肖像画やヌードを描き、オリエンタリズムの試みにも成功しました。
トゥルイユベールは1829年パリに生まれ、画家のエルネスト・エベールのもとで修行を積み、人物画や神話、ローマの田園風景など様々な題材を描いていました。1865年から1884年までの間トゥルイベーユはサロンに出展し、長年にわたり高い評価を受け 多くの肖像画を出品しました。彼は特に夜明けや夕暮れの川の風景を好み、柔らかい筆致と落ち着いた色彩で描写しました。
初めてジャン=バティスト・カミーユ・コローの作品に触れたトゥルイベーユはコローの作品に興味を持ち、コローの技法に没頭するようになりました。風景画に重点を置き、戸外制作を始めたことから 彼の作品がバルビゾン派との関連性を強めていったのも自然なことでした。しかし彼は 単一の形式に囚われることのなく、独自のスタイルで描き続けた画家でした。
トゥルイベーユの作品は世界的な公共および個人のコレクションに含まれており、彼は生涯作品の需要が絶えないほどの成功を収めました。著名な印象派の画家エドガー・ドガも彼のキャンバス作品をいくつか所有していました。