マイケル・クレイグ=マーティンはアイルランド生まれの現代コンセプチュアル・アーティストです。テキストや日常的なものをモチーフに明るいキャンディーカラーが特徴的な彼の作品は、変化に富み遊び心に溢れています。彼はロンドンのゴールドスミス・カレッジの美術名誉教授であり、ダミアン・ハーストやゲイリー・ヒュームを含む多くのヤング・ブリティッシュ・アーティストたちに影響を与えたことでも知られています。
彼の最も有名な作品『An Oak Tree(1973年)』は、ブラケット付きのガラスの棚の上に置かれた水の入ったグラスと、その水の入ったグラスが、ある物理的な状態から別の状態に変化したオークの木であることを主張するテキストで構成されています。
クレイグ=マーティンは1941年アイルランドのダブリンに生まれましたが、幼少期のほとんどをアメリカのワシントンD.C.で過ごしました。8年間ローマ・カトリック学校に通い、その後 英国ベネディクト会修道院学校(現:アンセルムズアビー学校)で、いつでも照らされたガラスパネルやステンドグラスの窓に宗教的彫像を見ることの出来る環境で学びました。この頃 芸術家でもあった神父の一人を通じて彼は芸術に興味を持ち、フィリップス・コレクションに展示されていたマーク・ロスコの作品に強い感銘を受けました。
その後コロンビアのボゴタにあるリセ・フランセで学び、1959年にはブロンクスのフォーダム大学で英文学と歴史を学び、同時に絵を描き始めました。そして1961年半ばにパリのグランド・ショミエール芸術学校で美術を学び、秋にはイエール大学の美術・建築学部に入学し、そこで彼はアレックス・カッツやアル・ヘルドの絵画コースを受講しました。
1969年にロンドンのローワン・ギャラリーで初の個展を開催し、1972年にはヘイワード・ギャラリーで開催された英国コンセプチュアル・アートの決定版ともいえる展覧会「The New Art」に参加しました。
ルクセンブルグの欧州投資銀行、ロンドンのラバン・ダンス・センター(建築家ユニット・ヘルツォーク&ド・ムーロンとコラボレーション)、ウーリッジ・アーセナル駅、そして近年ではハノーファーのHDI-Gerling (エイチディーアイ – ゲーリング)本社で大規模な作品を手掛け、また パリのポンピドゥーセンターやニューヨーク近代美術館、デュッセルドルフのクンストフェライン、バレンシア現代芸術院、ブレゲンツ美術館など クレイグ=マーティンは世界中のギャラリーや美術館で数多くの展覧会やインスタレーションを行っています。
彼の作品はオーストラリア国立美術館、ニューヨーク近代美術館、パリのポンピドゥーセンター、ロンドンのテートギャラリーなどのコレクションに収蔵されています。クレイグ=マーティンは現在イギリスのロンドンを拠点に活躍しています。
▼公式サイトはこちらから
https://www.michaelcraigmartin.co.uk/