マルセル・グロメール
Marcel Gromaire
1892年−1971年
マルセル・グロメールは、1892年フランス出身の画家です。パリの画塾でフォービスムやキュビスムの手法を学び、社会的な主題で多くの作品を描いています。社会主義リアリズムに関連づけられていますが、自分の価値観に忠実なヒューマニストであるグロメールは、そのグループや活動とは異なる独自の作品を形成したとも言われています。ヌード、インテリア、風景を主題とし、立体的な形と落ち着いた色にはポール・セザンヌやフェルナン・レジェの影響を垣間見ることができます。
作中に多く見られる濃い黄土色と茶色は、制作していたパリのスタジオに差し込む光と現実とをキャンバスに落とし込む事で表現されています。グロメールはスタジオをスタジオとしてだけでなく、フィルターとしても使っていたのです。また第一次世界大戦で6年間兵士として戦い負傷した経験と印象とがグロメールの後の発展に大きな影響をもたらします。その記憶に基づいて描かれた代表作に「ラゲール」があります。