モイズ・キスリング
Moise Kisling
1891年-1953年
モイズ・キスリングはオーストリア-ハンガリー(現ポーランド)クラクフで生まれ、エコール・ド・パリを代表する画家の一人として知られています。
15歳でクラクフ美術学校に入学しヨーゼフ・パンキエヴィチに師事ました。1910年19歳でパリのモンマルトルに移り住み本格的に絵を描き始めます。パブロ・ピカソやジョルジュ・ブラック、アメデオ・モディリアーニやジュール・パスキンらと交友を持ち、社交的で人望のあったキスリングは「モンパルナスのプリンス」とも呼ばれました。第一次世界大戦では自ら志願しフランスの外国人部隊として従軍、1915年ソンムの戦いで重傷を負いましたが のちに功績を称えられフランス市民権を授与されました。
初期の頃にはキュビズムの影響も受けたキスリングの絵は次第に写実的になり、フランドル絵画などの古典的絵画も積極的に学びました。キスリングの作品はどれもユニークなスタイル、宝石のような独特の透明感を持った色彩で描かれ、どこか憂いを纏ったような静けさと力強さを持ち 現代においても多くの人が魅了されています。
キスリングの作品の大部分はスイス、ジュネーブのプティ・パレ美術館に収蔵されています。2019年には東京都庭園美術館で、日本では12年ぶりとなる展覧会「キスリング展 エコール・ド・パリの夢」が開催されました。