ユエ・ミンジュンは中国・北京を拠点に活躍する現代アーティストです。

ユエは中国黒龍江省大慶で生まれました。1985年河北師範大学美術系にて学び、1990年代より自画像「笑う男」を描き始めます。「笑う男」は、何が起きようとも悩まず笑顔で自然のままに無為であるという老荘思想の影響を受けて制作したもので、ユエはこの「笑う男」をモチーフとした様々なバリエーションの作品で知られています。文化大革命から天安門事件を経て新しい経済の勝利に至った中国。ユエの歩んできた人生の背景を鑑みると、それは完全な笑顔ではなく　そこには深い苦悩や「笑う」ということについての複雑な概念が隠されているようです。

デビュー以来ユエの作品は　シンガポール、香港、北京をはじめ多くのギャラリーで紹介されています。2007年10月、ウジェーヌ・ドラクロワのThe Massacre at Chiosをモデルに「笑う男」を描いた『The Massacre at Chios（キオス島の虐殺）』（1994年）は香港・サザビーズで410万ドル（約4.5億円）で落札されました。その5日後には『Execution（処刑）』（1995年）がロンドン・サザビーズで290万ポンド（約6.5憶円）で落札され、中国の現代アーティストでは史上最高額の作品となりました。

近年ではKAWS（カウズ）とのコラボレーション作品や、フランスのハイエンドブランド「ポン・テ・ザール」とコラボレーションしたワインラベルなども手掛けています。ユエ・ミンジュンは商業的に大きな成功を収め、中国アートを世界に広めたのです。

▼公式サイトはこちらから
http://www.yueminjun.com.cn/