リチャード・ペティボーン
Richard Pettibone
1938年−
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リチャード・ペティボーンは1938年、アメリカ・カリフォルニア州出身のアーティストです。アンディ・ウォーホル、エド・ルシェ、ロイ・リキテンスタインなど1960年代~70年代に脚光を浴びたアーティストの作品を精巧なミニチュアで模倣し、美術の価値体系にゆさぶりをかけるアプロプリエーションアート(盗用美術)の先駆者として知られており、今日でも議論されているアイデアの所有権とオリジナリティの本質について再考させるきっかけを、ユーモアを交えて投げかけた人物として知られています。
1962年にオーティス・アート・インスティテュートで修士号を得、初期には子供の頃のお気に入りだった電車や飛行機のおもちゃを表現した、シャドウボックスのアッサンブラージュを制作していましたが、同年に開催されたアンディ・ウォーホルのキャンベルスープ缶のギャラリーショーと、翌年開催されたマルセル・デュシャン回顧展に大きな影響を受け、1964年に初めてキャンベルスープ缶の小さな模倣作品を2枚制作したことがきっかけで、そのスタイルを確立していきました。2005年~2006年にかけてカリフォルニア州のラグーナ美術館で開催された大規模な回顧展や、2007年にMoMAで開催された「絵画とは何か?」展への出品は、ペティボーンの40年以上にわたるキャリアの集大成となりました。