レイモン・サヴィニャック
Raymond Savignac
1907年−2002年
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1907年、フランス・パリに生まれたレイモン・サヴィニャックは、フランスのポスターデザインの巨匠として活躍したポスター作家です。1935年からアール・デコの巨匠カッサンドルの指導のもとポスターを描き始め、1949年にモンサヴォン社の牛乳入り石鹸の広告で一躍有名になりデビューを果たします。二度の兵役と何度も続いた転職や解雇の日々を乗り越え、41歳にしてようやく自分にしか表現できない驚きや感動、スタイルに出会えたのです。
1950年代から60年代にかけて企業広告デザイン旋風が巻き起こる中、サヴィニャックは身近な食料品や日用品からシトロエン、エール・フランス、ティファールなど有名企業の広告ポスターを次々と手がけます。言葉に頼らず絵だけで多くを伝えるサヴィニャックのポスターは、としまえん、森永、サントリーなど日本の企業からも多数の依頼を受けています。大戦後の苦しい時代、サヴィニャックのポスターがパリに住む人の心を捉えたのは、人の心を癒す為の笑い、健康的であっけらかんとしたユーモアとエスプリでした。半世紀以上経った今でも、サヴィニャック作品は世界中の多くの人々に慕われ、ますますその存在価値が高まっています。また作中には赤・青・白のフランス国旗色と黄色が多く用いられており、別名「サヴィニャックカラー」と呼ばれています。