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ARTIST/ART

レオノール・フィニ
Leonor Fini
1907年-1996年

レオノール・フィニはブエノスアイレス生まれ、イタリア系アルゼンチン人の画家です。しばしばシュルレアリストと紹介されるフィニですが、彼女は決してシュルレアリストの一員ではありませんでした。自画像、猫、女スフィンクスやエフェベ、キメラ、メタルフォーゼ… 神秘的な儀式やエロティシズムが 暗くまばゆく光る雰囲気の中で混じり合い、常に怪しく謎めくフィニの世界。

「絵はそれぞれの命を持っています、私は常に 夢を見るように描きました」

1907年アルゼンチンのブエノスアイレスに生まれた彼女は幼少期を母と共にイタリアのトリエステに移りました。フィニは正式な美術教育は受けていませんでしたが、イタリアのマニエリスム(ルネサンス後期の美術様式)の画家の作品や、不自然なポーズや手足を細長く描いたりするマニエリスムの特徴を研究するなど、独学で美術を学びました。1931年フィニはパリに移り、そこでジョルジョ・デ・キリコやマックス・エルンスト、レオノーラ・キャリントンらと親交を持ちました。クロス・ドレッシング(異性装)や同性愛、23匹の飼い猫とのディナー…といった彼女の自由で風変わり(特に当時としては)なライフスタイルは数十年にわたって続きました。

フィニが初めて展覧会を開催したのは、まだファッションデザイナーとなる前のクリスチャン・ディオールのギャラリーでした。彼女は絵画だけでなく、1963年のフェデリコ・フェリーニの映画『8 1/2』の衣装デザインをはじめバレエやオペラの衣装や舞台美術も多く手掛けました。才能もあり堂々として魅力的なフィニは、生涯を通じて多くのアーティスト達による詩や写真の被写体ともなりました。

近年では2018年、ディオール(Dior)がフィニから着想を得た春夏オートクチュールコレクションを パリのロダン美術館で発表しました。仮面を愛したというフィニにちなんで、ショーの後には壮大な仮面舞踏会が開かれたそうです。幻想的でセクシュアルなフィニのカリスマ性は今なお多くの人々にインスピレーションを与え続けています。彼女の作品は、ニューヨークのメトロポリタン美術館、パリのジョルジュポンピドゥーセンター、ロンドンのテートモダンなど世界の主要な美術館でコレクションされています。

▼公式サイトはこちらから
http://www.leonor-fini.com/fr/

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