レジナルド・マーシュ
Reginald Marsh
1898年−1954年
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レジナルド・マーシュは1898年、フランス・パリに生まれた画家です。幼少の頃両親とともにアメリカへ移り、イェール大学に進学。在学中には学内のユーモア雑誌「The Yale Record」の人気イラストレーター兼漫画家として活躍しました。卒業後、イラストレーターを目指してニューヨークへ移ると、アート・スチューデンツ・リーグに通い本格的に絵を学び画家を目指します。作画の傍でニューヨーク・デイリーニュース紙のスタッフ・レポーター兼イラストレーターとしてキャリアを重ね、ボードビルやバーレスク(いずれも大衆娯楽)に関する批評コラムをイラスト入りで担当しました。その優れたグラフィック技術と絵画的なユーモアの才能を発揮して描かれたドローイングで、取り上げた演目の面白さをバーセンテージで評価するコラム欄には、出演者やその友人からの率直な意見も寄せられ大成功を収めました。
1925年にはデイリーニューズ社を退職。同年創刊されたニューヨーカー誌に最初期の漫画家のひとりとして勤務するかたわら、フリーランスとしてエスクァイア誌やライフ誌などにドローイングを投稿し続けました。画家としてはエッグテンペラ、油彩、水彩、版画など多岐にわたる手法で、コニーアイランドの混雑した海辺の風景、大衆娯楽、女性や失業者などを繰り返し題材とし、1920年代から30年代にかけてのニューヨークの生活を描いたことで知られています。旅好きのマーシュは、生まれ故郷であるパリを訪れるとその魅力に取り憑かれ、ヨーロッパを頻繁に訪れてはオールドマスターたちの作品を見て回り、その技法や空間配置を自らのキャンバスに取り入れて制作を続けました。