ロバート・ホッジンズ
Robert Hodgins
1920年−2010年
ロバート・ホッジンズは1920年にロンドンに生まれた画家です。18歳のころ南アフリカに移住し、第2次世界大戦への出征を経て終戦後にロンドン大学ゴールドスミスカレッジで芸術と教育を学びます。卒業後南アフリカに戻り教師、美術評論家、ジャーナリストなどとして働く傍ら油彩、アクリル、テンペラなど様々なメディアを用いて創作活動を続け、1983年からは画業に専念します。
ホッジンズの作品は1950年代初頭から展示されていたにも関わらず、1980年代初頭までほとんど注目されることはありませんでした。1980年代に入るとアーティストたちは反アパルトヘイトや社会を意識した表現をはじめ、ホッジンズも例外なく権力の風刺を始めました。ストライプのスーツに身を包んだ悪意あるビジネスマン、刑務所の独房、歴史的背景、政治上の暴君などを描いた作品は、1986年に大規模な回顧展が開催されるほど大きな影響を与えるものでした。人物をモチーフとした作品は晩年にも多く描かれており、作中で重要な役割を果たしているのは色、空間、配置だとホッジンズは語っています。その作品は南アフリカを中心にロンドン、フランス、アメリカの美術館や企業で所蔵されています。