ロレッタ・ラックス
Loretta Lux
1969年−
ロレッタ・ラックスは1969年、旧東ドイツ・ドレスデンに生まれた現代写真家です。ベルリンの壁崩壊直前にミュンヘンに移り住み、1990年から6年間ミュンヘン造形芸術アカデミーで画家としての教育を受けました。写真を撮り始めたのは1999年。初期の頃は「The Hush」や「Self-Portrait」など自画像を撮影していましたが、程なくして友人の子供や青年をモデルにした写真へと移行しました。
スーパーリアリズムの絵画を彷彿とさせるその作品は、肖像画と別に撮影した風景写真、あるいはCGで描かれた背景を合成して制作されています。どことなく虚な表情を浮かべ、形式ばったポーズで人工的な空間にたたずむ被写体の服装や髪型は計算し尽くされており、作り込まれた美と不思議さを感じさせます。ラックスは写真というよりむしろ絵画のような作品を目指し、1枚の写真に3ヶ月もの時間をかけて丁寧に作り上げていくのです。
これまでにラックスはヨーロッパ各地の美術館で個展を開催したほか、アメリカや日本での展覧会にも参加し、2005年にはニューヨークの国際写真センターからアート部門のインフィニティ賞を受賞しています。またその作品はニューヨークのグッゲンハイム美術館やシドニーのニュー・サウス・ウェールズ州立美術館などに所蔵されています。
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https://lorettalux.de/