常玉(サンユウ)
Sanyu
1901年−1966年
常玉は1901年、中国の四川省で生まれた中国系フランス人アーティストです。幼い頃から書と中国の伝統的な山水画を学んでいたことと、早くから芸術的関心を西洋に向けていた常玉の作風は、ヨーロッパの静物画や裸婦を書道の流れるような運筆で描き上げる、西洋的要素と東洋的要素を見事に融合したものでした。常玉の作品に見られる東洋的要素には、中国の文人画が持つ浮世離れした様子や傲慢さはなく、中国の伝統工芸に見られる色鮮やかな装飾性に満ちています。静物画を描くときにはその色合いや構図、題材に中国の伝統芸術を取り入れ、またヌードモデルのドローイングでは西洋のスケッチ技法を取り入れて人間の形をした線を探求し、それらをうまく融合させた表現手法が、常玉特有の芸術的魅力となっています。
1921年、パリのモンパルナスで「エコール・ド・パリ」と呼ばれる外国人画家たちが活躍していた頃フランスに渡り、生涯をパリで過ごした常玉は色と形の達人と言われ、「東洋のアンリ・マティス」とも称されています。日本では紹介される機会の少ない常玉ですが、近年オークションではその作品が高値で取引されるなど、市場を賑わせています。
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http://www.artofsanyu.org/