文承根 (ムン・スングン)
Moon Seung-Keun
1947年―1982年
ムン・スングンは1947年石川県に生まれ、京都を中心に活動した在日韓国人2世のアーティストです。
1960年代からほぼ独学で美術表現を始め、1968年に具体美術協会の創設者である吉原治良に見出され、具体美術協会に参加し、もの派の先駆者である郭仁植(カク・インシク)、李禹煥(リ・ウーファン)、郭徳俊(クァク・ドッチュン)らとも交流しました。そして1969年に第5回国際青年美術家展で受賞し、アーティストとして広く認知されるようになります。具体や関西ニュー・ウェイブ、もの派など 時代の潮流の中に身を置きながらも決して流されることなく独自の研究と実践を続け、表現を探求し続けました。また彼は 油絵や水彩画の他、版画や立体、写真や映像作品など 幅広いジャンルで制作を展開しました。
1982年ムン・スングンは胆嚢癌により34歳の若さでこの世を去りました。
一貫した独創性と完成度の高さで、今尚 彼の作品は高く評価されています。ムン・スングンの作品は 韓国の国立現代美術館、光州市立美術館、日本では京都国立近代美術館、大阪の国立国際美術館、千葉市美術館などに所蔵されています。