方力鈞(ファン・リジュン)
Fang Lijun
1963年−
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方力鈞は1963年に中国・河北省に生まれた現代美術家で、90年代以降の中国現代アート史における最大の潮流「シニカル・リアリズム」の旗手として、現在は北京を拠点に活動しています。
文化大革命時代に幼少期を送り、青春期を改革開放政策による急激な経済発展の怒涛の中で過ごし、天安門事件で民主化への夢を打ち砕かれるという激動の中国現代史の経験を、自身をモデルにしたと思われるスキンヘッドの男に投影し、不気味な雰囲気とそれに相反したユーモアを融合させ、インパクトの強い独特な世界観で人権、道徳、政治的抑圧など社会問題を表現し続けています。その作品はMoMAやパリのポンピドゥ・センターなど名だたる美術館に展示され、ヴェネチア・ビエンナーレにも2度の出展を果たした、世界各国で活躍する数少ない中国人アーティストのひとりです。