アドルフ・ルーサー
Adolf Luther
1912年−1990年
アドルフ・ルーサーは1912年、ドイツ・クレーフェルトに生まれた芸術家です。コンセプチュアル・ライト・アートやキネティック・アートの分野で、戦後の前衛を代表する存在として知られています。1939年からボン大学で法律を学ぶ傍ら絵画にも力を注いでおり、卒業後は裁判官として働いていましたが、1957年に法曹界を離れ芸術活動に専念しました。モノクロームの表現力が輝く初期の作品を経て、翌年からは光の屈折や反射などその特性に関わる研究を繰り返し、それを光の彫刻や絵画に取り入れる術を独学で身につけて表現につなげていきました。
ルーサーの作品は凹面鏡や凸レンズ、鏡などを配列し、角度を変えて光を屈折させることで繰り返される環境を表現することを特徴としており、1970年代からはそれに加えレーザー光線を使った作品も発表しています。デュッセルドルフのコンサートホールやボンの首相官邸など、公共の空間に設置されているオブジェは凹面鏡を用いたものが多く、それらは周囲とまさに一体化して密接にその環境に溶け込んでいます。ルーサーの作品は多くの美術館やパブリック・コレクションに収蔵されています。
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https://www.adolf-luther-stiftung.com/en/