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ARTIST/ART

アルベルト・レンガー=パッチュ
Albert Renger-Patzsch
1897年−1966年

アルベルト・レンガー=パッチュは1987年、ドイツ・ヴュルツブルクに生まれた新即物主義の写真家です。12歳で写真を撮り始め、第一次世界大戦での兵役を経て、戦後ドレスデンの工科大学で化学を学びました。1920年代初頭にアメリカの新聞シカゴ・トリビューンの報道写真家として活躍した後フリーランスとなり、1927年に初の美術館での展覧会を開催しました。初期の写真はクローズアップや細部の拡大による美的可能性を追求したもので、記録するという技術と美的な魅力を組み合わせており、今となっては陳腐にも見えかねないものですが、当時としては非常に斬新なアイデアでした。

1928年には、2冊目の写真集『世界は美しい』を出版しました。科学的な図解のように明確に表現された自然、工業製品、大量生産品などを鋭い焦点と事実に基づいたスタイルで、ワイマール共和国時代のドイツで盛んだった「新客観主義」の美学を体現しつつ100点を収録したこの本は、レンガー=パッチュの代表作のひとつともなっています。1930年代には産業や広告写真の制作を始めますが、第二次世界大戦中残念ながらパッチュのアーカイヴは破壊されてしまいます。

カール・ブロスフェルトが植物写真で、アウグスト・サンダーが人物写真で成し遂げたことを物質世界の描写で成し遂げたレンガー=パッチュは、20世紀ドイツの写真界において紛れもない先駆者のひとりであると言えるでしょう。

 

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