アーシル・ゴーキー
Arshile Gorky
(1904年−1948年)
アーシル・ゴーキーは1904年、アルメニアに生まれた画家です。アルメニア人虐殺から逃れるべくアメリカに移住し、1922年にボストンの美術学校に学びます。学生時代はポール・セザンヌら印象派の影響を受け、その後はジョアン・ミロやワシリー・カンディンスキーなどの抽象画家や、シュルレアリスムのオートマティスム手法の影響を感じさせる作品を描いています。基本的に独学で絵画を習得したゴーキーは、それらの影響を受けつつも、母国アルメニアへの思いとアイデンティティを言及する、綿密な計画と繊細なデッサンで独自の作風を追求し続けました。
画家として成功を収めたのは1933年以降で、ジャクソン・ポロックやマーク・ロスコらとともに活躍します。1940年代にはアンドレ・ブルトンから絶賛され、後にパリで行われたシュルレアリスムの展覧会で作品が紹介されました。後年はスタジオの火災で多くの作品を焼失したり、癌を患ったり、事故で利き腕が麻痺してしまったり、妻子が家を出て行ってしまったりと不幸が重なり、1948年に44歳の若さで自ら命を絶ってしまいました。抽象表現主義の発展に多大な影響を与えたことで知られるゴーキーの作品は、アメリカのシカゴ美術館、ロンドンのテート・ギャラリー、ニューヨークのMoMAなどに所蔵されています。
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https://arshilegorkyfoundation.org/