イミ・クネーベル
Imi Knoebel
1940年−
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イミ・クネーベルは、1940年にドイツのデッサウに生まれ、デュッセルドルフ美術アカデミーの伝説のクラスと言われるヨーゼフ・ボイスのクラスで、ブリンキー・パレルモ、イェルク・イメンドルフらとともに学んだ芸術家です。とはいえ作風にボイスの影響はそれほど見られず、断固として抽象的であり、フォルム、色、素材の探求を通じてマレーヴィチやモンドリアンなどの系統にある伝統的モダニズムを継承するオーソドックスな「絵画の問題」に取り組んでいます。また色彩と絵画面と空間の関係を追求する画家としても知られており、構成主義的なコンセプチュアル・アート作品を数多く制作しています。
25万枚のドローイングを箱に封印した作品、色彩が乱舞する切り絵、不定形のモノクロームパネル、長方形の色面を組み合わせた作品、空間全体を演出するインスタレーションなど、多様性に満ちた作品は、時に観るものを戸惑わせることも。代表作のひとつである「グレーズ・ケリー」はシンプルな箱を4本の枠で囲み鮮やかなアクリルペイントを施したミニマルアートの極みとも言える作品群で、しばしばアートマーケットを賑わせています。